CIPとは ファッション業界に携わり続けることで培った、Gravity独自のネットワークを強みとしたインフルエンサーサービス。Dear Andy.では、さまざまな分野で活躍する若手インフルエンサーに同年代の若手編集・ライターがインタビューをし、活動の仕組みや影響を与えているものなどをコスモならではの感度やセンスで紐解いていきます。 |

漠然と抱いていた意識を“自分ごと化”して見える世界が変わった。
ーー20代で独立してエシカルオンラインスクール「AWAKE &」を立ち上げていますが、現在に至るまでの経緯について教えてください。
濱島 |
新卒では株式会社サイバーエージェントに入社し、広告の営業や運用を経験しました。その後、学生時代から大好きだった「旅」を仕事にするため旅に関する総合WEBメディアTABIPPOに転職。TABIPPOでは海外政府観光局のプロモーションを手がけたり、学生向けの海外旅行企画を立てたりと、仕事で世界を飛び回ることができました。 旅を仕事にするという一つの目標が叶った一方、地球や社会に貢献したいという気持ちも強まりました。地球環境に対する問題意識は小学生の頃からあったので、レジ袋を断ったり、ゴミの分別をしっかりしたりと、当たり前のことはしてきました。しかし、大人になるにつれて、子供の頃に抱いていた強い憤りが薄れていたのは感じていて。その問題意識が、再び自分の中に湧いてくるタイミングがあったんです。誰もが生きやすい社会の実現のためには、今いる環境のことをもっと知る必要がある。そのためのステップとしてエシカルを学べる場所を作りたくて2021年に「AWAKE &」を立ち上げました。 |
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ーー濱島さんが地球環境について考えるようになった最初のきっかけはいつだったのでしょうか。
濱島 |
きっかけは小学校6年生の時。学校の授業とは別で母が取ってくれていた通信教育の教材の中で、学校では教えてくれない社会問題などのテーマがよく扱われていました。そこで初めて自分がいる地球の状況や社会問題について知ることになるのですが、「このままだと今の世界はなくなってしまうのに、大人たちは何をしているんだ!」と憤っていたのを覚えています。 他にも、『Cowspiracy:サステイナビリティ(持続可能性)の秘密』というドキュメンタリー映画は自分の考え方を大きく変えてくれた作品。畜産が与える影響がリアルな視点で描かれていて、かなり衝撃を受けましたね。 |
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ーー学生の頃からよく世界中を旅していたということですが、これまでに旅を通して見てきた中で、印象的だった景色はありますか。
濱島 |
これまで25カ国ほどを旅してきて本当にどこも素敵で思い出深いのですが、学生の頃に友人と行ったモンゴルは特に印象に残っています。 モンゴルの移動式住居「ゲル」に泊まって、現地の生活を体験するホームステイのようなツアーで、現地に到着したのが真夜中だったんですよね。街灯もないので、空港からゲルまでの車の移動も真っ暗で何も見えなかったんです。でも次の日目が覚めて泊まっていたゲルのドアを開けた時、視界を遮るものがない草原の緑が海のようにずっと向こうまで広がっていて……。到着した時には真っ暗だったから、目の前にこんなに綺麗な光景が広がっているとは全く想像していなかった。あの景色を見た時の感動は本当に忘れられないですね。地球は、本当に彩り豊かな美しい星だと思いました。 |
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「挑戦すること」よりも、「挑戦しないこと」の方がリスク。
ーー自分の感覚に素直に従って行動してきた濱島さんですが、新しいことに挑戦する時に背中を押してくれるものはありますか。
濱島 |
「行動力があるよね」「怖くないの?」と言ってもらうことが多いのですが、私は逆にやらないことの方がよっぽど怖いしリスクがあると思っているんです。 新卒入社した22歳のときもいわゆる結婚や出産、キャリアアップの節目と言われる30歳まで逆算して、「あと8年しかない、まだまだやりたいことがたくさんあるのに……!」と焦っていました。今では30歳で区切る必要はないと思っていますが、早く決断して行動していたのは、明確な目標のないままに過ごす時間はもったいないと思っていたからかもしれません。 |
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濱島 |
仕事でも、自分で直接契約を取る新規営業が昔から好きでした。学生時代には、レストランのオーナーさん相手に、飲食店予約サイトの飛び込み営業をしたこともあります。 契約が取れた分だけ報酬がもらえる完全歩合制ですごくやりがいがありましたし、何より自分で開拓していくのが楽しかったんですよね。サイバーエージェントでも、勤務歴関係なく、1年目から大きな仕事を任せてもらえるような環境だったので充実していました。 「AWAKE &」でも、講師をお願いしたいと思った先生方には私が直接依頼をしています。連絡先がわからない時はFacebookなどのSNSに連絡をすることも。新しい出会いや、新しい世界にダイブしていくことが大好きです。 |
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ーー「AWAKE &」ではどんなことができるのか、サービスについて教えてください。
濱島 |
「AWAKE &」は、動画でエシカルについて学ぶことができるサブスクリプション型のオンラインスクールで、特徴は大きく3つあります。一つ目は専門家による動画が見放題であるということ。ジャンルごとに分かれたコースの講義は、15分ほどの短い動画を7回視聴することで内容を全て履修することができる仕組み。忙しい人でも、通勤時間などの隙間時間でスマホで簡単に学べるよう、1本あたり15分という長さに設定しました。 二つ目は入会特典。入会すると、野菜や穀物、豆類などが入ったプラントベースボックスが届くようになっています。菜食を提案するインフルエンサーの皆さんの料理動画もセットにしているので、届いてすぐに「プラントベース料理」を実際に作ることができるホームワークキットです。 そして、三つ目は毎月届くエシカルなギフト。「竹の歯ブラシ」や「有機野菜セット」、「ヴィーガンスイーツセット」など、普段あまり目にすることがないようなエシカルアイテムをギフトにしています。 こういったギフトをきっかけにして、興味の幅を広げていってもらえたら嬉しいですね。 |
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チャルジョウ農場の有機野菜セット
mariのヴィーガン&ロースイーツ
ーー濱島さんの中で、ギフトを選ぶ時の基準や判断材料があるのでしょうか。
濱島 |
しっかりとした信念や熱い思いを持って製品を作っているブランドとコラボするようにしています。例えば小規模な会社だと、 大量生産じゃないからこそ素材や製法に拘っていて、「AWAKE &」の理念にも共感してくれるところが多い。ギフトが気に入ってその後も継続して購入してくれるお客さんもいるので、「AWAKE &」を通して製品や企業の認知度も上がってくれたら嬉しいですね。 満足度の高いギフトの選定のために日常生活でも常にアンテナを張って、気になる場所に足を運んだり実際に食べてみたりして情報を集めるようにしています。 |
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知識だけではなく、自分にも周りにも優しくなれるライフスタイルを提供したい。
高瀬 |
「AWAKE &」は、月額制でエシカル講義の動画が見放題というサブスクリプションサービス。好きな時に好きなだけ見ることができるかなり自由度の高いスクールなので、どうしても見るのを忘れてしまったり、忙しいと後回しにしてしまう方も実はいらっしゃいます。 でも、サービスの特徴のところでもお話しした、毎月のギフトがリマインドの存在になってくれるんですよね。実際に、ギフトが届くことで「AWAKE &」のことを思い出すから、コースをちゃんと受ける習慣がついたと言ってくださるユーザーの方もいます。その時一回限りではなく、きちんと継続的な学びに繋がっているのなら、それは一般的なセミナーとは違う「AWAKE &」の大きな強みなのではないかなと思います。
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ーー「AWAKE &」が今後も長く愛されるサービスになるように、濱島さんが見据える今後の展望はありますか。
高瀬 |
私は自分の専門分野の知識を伝授するサービスというよりは、私自身も知りたいことを専門家から学んで、それを他の人にも共有できる場所を作りたくて「AWAKE &」を立ち上げました。 そう考えたとき、私だからこそできる唯一無二のサービスにするためにどうすればいいか、最初は頭を悩ませましたね。 でも、今考えているのは「AWAKE &」を、知識を提供するだけの場所にしたくないということです。心に余裕のあるライフスタイルのためには、知識を提供するだけでなくてメンタル面のケアなどのサポートもとても大事。みんなが自分にも周りにも優しくなれるライフスタイルを送るために、今後はコミュニケーションを学べるコースを導入する予定で、瞑想やヨガなどの体験型のオンラインイベントも検討しています。 |
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写真:riho ogura
※コロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえでインタビューを行い、撮影時のみマスクを外しております。